胡蝶蘭エキスパート 二宮さんの物語

胡蝶蘭エキスパート 二宮さんの物語

胡蝶蘭エキスパート 二宮さんの物語

母から受け継いだ「花への愛情」

我が家には小さな庭があり、そこに母はたくさんの花を植えて育てていました。
朝顔やひまわり、すずらんなど季節に合わせて、いつも色とりどりの花が咲き誇っていました。
物心ついた時から、そんな環境にいたためか、「花を育てる」ことに特別な感情はありませんでした。花が身近にあることが当然の風景だったからです。

花は種や苗から育てますが、手を掛けた分必ず応えて綺麗な花を咲かせてくれました。子供だった私には、小さな種や苗がぐんぐん育ち、花を咲かせていく過程がとてもおもしろく感じられ、そしていつも綺麗に咲き誇る花を見て大きな達成感のようなものを感じていました。

私は6人兄弟ですが、特に花の世話を進んでしていたのは私一人だったようです。私は母から花の世話を特に頼まれたわけではないのですが、自分から進んで行っていたのは、母から「花好き」の性格を受け継いだからかもしれません。そんな私なので、高校進学の際にも自然と農業科のある学校を選択していました。

運命の花「バンダ」との出会い

そこで私は今後の人生に大きな影響を受ける「バンダ」と言う花に出会います。
バンダも洋蘭の一種で、青色が鮮やかで、高校の温室で初めてみた時にその綺麗さに心を奪われました。その時の気持ちは、今でも言葉では表現しきれません。ただただ、心を奪われました。
高校の3年間は綺麗な花に囲まれ、専門的な知識を学べる環境で、大変充実した日々を送ることができました。
高校卒業後はできればすぐにでも花を育てられる会社へ入りたかったのですが、その頃に我が家の近くにそのような会社が無く、先生の勧めもあり農業大学校へ進むこととなりました。でもこの選択がまた正解!
農業大学校で学んでいる間に、近くに胡蝶蘭を栽培する会社を見つけることができたのです。

希望の就職先が見つかり無事に採用いただいて、私の社会人生活は明るいものになると確信していました。
ところが、その会社では2500坪もの温室で胡蝶蘭の苗を育てるような大きな会社だったにも関わらず、育てている苗が大変ひどいもので、育てても商品になるものはほんのわずかでした。なんとか商品として送り出したとしても、輸送中に枯れる、展示中に溶けてなくなるということもあり、ほとんどの胡蝶蘭が返品されてきました。ちなみにこのひどい苗は他社から仕入れたものでした。
私は、期待していていただけに失望が大きく、徐々に退職を考えるようになりました。

スーパーマン現る!

そんな私のところへ(いや、会社へ)、一人のスーパーマンが現れました。
胡蝶蘭のエキスパートとして、新しく入社されたAさんです。
このAさん、本当にすごい人で、ひと目胡蝶蘭の温室を見て、「こんなのはダメだ!処分したほうが良い!」と言われ、「よし、今夜全部燃やすぞ!」と私に言ってきたのです。
処分?!、燃やす?!!と私は仰天しましたが、私もこのままではいけないとずっと思っていたので、一緒に一晩かけて山の様な胡蝶蘭の苗を焼却処分しました。
そしてAさんが社長に直訴してくださり、新たな苗の仕入先との契約にこぎつけられたのです。(今から思うと、本当にとんでもない方法で社長を口説き落としたのだと肝が冷えます・・・)

そこからの私の仕事は本当に楽しいものになりました。
健康な苗がこんなにもすくすく育つのか!こんなにも綺麗な花を咲かせてくれるのか!と感動の日々でした。いい苗を育てれば、きれいな胡蝶蘭へと育つことがとっても嬉しかったのです。この時の私は、我が家の庭で花々を見守った子供の頃の自分と同じ目をしていたと思います。

順調に商品として出荷できる胡蝶蘭を増やしていくことに成功し、次は色々な種類の胡蝶蘭を育てるようにもなりました。
胡蝶蘭は本当にたくさんの種類があり、今もどんどん新しい花が改良され誕生しています。

私はその後、お世話になった会社を退職し、自ら胡蝶蘭会社を立ち上げます。もうここまできたら、それはとても自然な流れでした。私の天職は花を育てること。そして、その中でも美しく気品のある胡蝶蘭を選んだのです。
ちなみに私を救ってくれたあのスーパーマンAさんは、こちらも会社を退職され、今はインドネシアで胡蝶蘭の苗を育てる会社をされています。もちろん我が社の胡蝶蘭はすべてAさんの会社の苗を仕入れて育てています。

花とともにある人生。これからも。

私の人生は花とともにありました。それなりに紆余曲折もありましたが、それほど困難に感じなかったのは、大好きな花がいつも身近にあったからかもしれません。私は本当に花が好きなのだと、改めて感じています。そしてこれからも花のおかげで穏やかで楽しい日々が送れると確信しています。
今は、支えてくれる頼れるスタッフとともに、お客様に喜んでいただける胡蝶蘭を育て、お届けすることに邁進したいと思います。これからもどうぞよろしくお願いします。

理由

相場

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